月光

暗いうちから山を一時間ぐらいかけて登り、夜明け前の山並みの向こうにそびえる富士山と満月を狙ってみた。空には薄っすらと雲がかかっているが、それはそれで朝焼けを期待させてくれる。写真家は、それぞれの現場でそれぞれの条件に合わせて、ベストなアングルとアイディアを浮かべながら撮影をすることにる。この日もそれらを具現化しながら朝を迎えたが、やがて雲は厚みを増していった。

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